ライアンはインフラのプロジェクトマネージャーとして働く。高校時代にエリザベスに片思いし、卒業後すぐに結婚した。結婚した当初は幸せだった。ジョージやクリスと同じ大学でエンジニアリング(工学)を学んだ。
毎朝、朝のテレビ番組を見ながら新聞を読むのが日課。何事にも自分の意見を持つ。自分は "できる "タイプだと思っている。知らず知らずのうちに右(Right)寄りの考え方になっている。
エリザベス・スミス(旧姓ジェンキンス)は大学の学部時代に人類学を専攻し、裕福な家庭に育ったが、常に社会問題に関心を持っていた。経済学についてはあまり詳しくないが、気候変動の課題を解決するために重要だと考えているため、もっと学びたいと思っている。
自分はプログレッシブ(進歩的:Progressive)だと考えており、ライアンの右寄りの意見にいつもイライラしている。二人は昔は幸せだったが今は軋轢がうまれている。
現在は大手のグローバル商社の国際部に勤務しており、定期的に海外の同僚と交流している。特に京都支社に勤める真理子(まりこ)とは仲が良く、よく時事問題について語り合っている。
エマは家族の中で一番若く、エネルギーにあふれている。木登りが大好き。大きくなったら医者になりたいと思っている。また、ペットを愛することと、食べるために動物を殺すことがなぜ矛盾しないのかという質問の答えを得られなかったことから、家族にもヴィーガンになってほしいと思っている。
エマはとても賢く、周りの大人が自信を持って答えられないような質問を頻繁にする。若さゆえの無邪気さで、完全に理解できなくても、公平に物事をみることができる。
ケビンは高校生の最終年で、ミュージシャンを目指している。ギターを弾くのが大好きで、彼のヒーローはジミ・ヘンドリックスだ。気候変動問題にも関心が高く、人間が地球を破壊していることについて曲を書いている。
ケビンが現代通貨理論(MMT)と出会ったのは、バンドでギターを弾く経済学者が語る経済学についてのブログを見つけたときであった。彼は自由な時間(彼のほとんどの時間)を使ってギターリフを学び、MMTに関するブログを読んだりYouTubeのビデオを見たりしている。ギタリストであると同時に経済学者であることはとてもかっこいいことだと思っており、来年大学に進学する際には経済学を専攻することに決めた。父親の経済学に対する右寄り(保守的な)見解に反発して、家庭内で定期的に論争を巻き起こしている。
トムはエリザベスの父親で、炭鉱会社でエンジニアとしてキャリアを積んだ。数年前に退職したが、エネルギーの生産に石炭を使うことを主張し続け、再生可能エネルギーには疑念を抱いている。彼は本を読まず、毎日(トム自身が知識人の読みものと認識している)『スカイニュース』を見ている。
自分のやり方に固執しており、ライアンにソーラーパネルを設置するよう説得するエリザベスと定期的に衝突している。トムはいつも経済の話題ではライアンの味方である。
ローラはエリザベスの母親で、炭鉱会社でインターンとして働いていた頃に出会って、トムと結婚した。トムとは正反対の性格であり(正反対故に惹かれている面もある)、本を読んだり、ポッドキャストを聞いたりするのが好き。自分で時間をかけて調べるまでは様々な物事についてオープンなポジションを取る。
孫が大好きで、最近はケビンがよく話しているブログやYouTubeの動画にとても興味を持っている。MMTに興味を持っているが、まだ完全に理解できているわけではない。ローラがまだ完全には理解できていなくても「納税者は政府の支出に資金を供給しているわけではない』ということを言及するたびに、トムに否定されている。
アーロンはライアンの兄で、小さな金融の投資会社を経営している。好きな映画は『ウルフ・オン・ウォールストリート』で、「金ですべてが解決できる」と常日頃から語っている。アーロンの他の話題は、彼が負け犬と呼ぶ人たちについてで、「怠け者だから貧しい」と断言する。
携帯電話で常に金融市場をチェックする以外に、理想のパートナーを求めて出会い系サイトに頻繁にアクセスすることに夢中になっている。これまでのところ、彼は惨敗続きで、女性はすぐに彼の粗雑な態度に呆れてしまう。ライアンとは右よりの考え方は同じだが、ライアンが家庭を持ち、仕事以外に充実した人生を送っていることを羨ましく思っており、ライアンとは喧嘩が絶えない。