ロバート・オータムはテレビの朝の経済・金融番組の司会者である。元々学者であるが、出版物の少なさと大学を離れての絶え間ないコンサルティング活動で、昇進の見込みが薄れたため、メディアに転身した。
彼は経済問題に関して強硬な意見を持ち、主流派のマクロ経済学教科書の内容を早口でまくしたてるように話す。番組でたびたび繰り返される彼の好きなフレーズは「納税者のお金は賢く使われるべきだ」。
メアリーは経済学を専攻し大学でジャーナリズムを勉強した。不平等や気候変動という課題に対処するために社会に変化をもたらしたいと考えている。彼女は理路整然としているが、意見を述べるたびにロバートにけなされている。
彼女は朝の経済・金融番組のリサーチをすべてこなしているが、ロバートが自分の偏見に合わせたストーリーに変えるために、オートキューの文章を土壇場で変えることが多いことに気づいている。
ロバートの良き友であるホラフキマン教授のことを大ほらぶき(a full of “hot air”)であると思っているが、仕事の一環として彼の身だしなみを整えないといけない。
ホラフキマン教授は、名誉ある大学の経済学の教授であり、朝のテレビの金融番組に頻繁に出演するほか、大手新聞の論説欄にも定期的に登場する。
彼は政府支出を病的なまでに憎んでいる(ただし、鉱業や軍事といった自分の特別の関心を支援するためであれば、態度を変える。)。
彼は、政府が支出を過剰に行なっているために財政破綻すると予測し続けているが、これまでのところ、彼の予測は外れ続けている。それでも彼の傲慢さは少しも収まらない。